NPO法人の設立・運営

NPO法人の設立

特定非営利活動法人(NPO法人)とは?

営利を目的とせず、社会貢献活動を行う民間組織をNPOといいますが、これは、Non(非) Profit(利益、営利) Organization(組織)の頭文字をとった略語であり、法人格を持たない任意団体(ボランティア団体や市民活動団体)もあれば、法人格を有する特定非営利活動法人(NPO法人と略して言う場合が多い)もあります。

一般的にボランティア活動を行っている任意団体が、いくつかの理由で法人格を有するNPO法人に移行するケースが多いようですが、最初から法人格を有するNPO法人を設立しても構いません。但し、ボランティア活動の実績がゼロで始める場合、理想と現実のギャップの大きさに活動内容の見直しを余儀なくされることもありますので、ボランティア活動に精通した人と一緒に起業することをお勧めします。

1 なぜ法人格を取得するのか

任意団体を運営していてすぐにあることに気が付きます。

あることとは、任意団体名では契約の当事者にはなれないし、銀行などの口座も任意団体の名前だけでは開設できないということです。個人事業主と同じと考えればわかりやすいかもしれません。

代表者個人の契約から法人契約に

金融機関での口座開設や不動産の購入、自動車の登録、電話の加入、備品などの固定資産の購入など、任意団体では全て代表者個人が契約の主体となりますので、代表者が交代すれば当然名義変更の手続きが必要になりますし、場合によっては、再度新たな契約を締結する必用があるかもしれません。それは、あくまで個人の信用に基づく契約なので、代表者が変われば使用の度合いも変わりますので仕方がないでしょう。

一方、法人格を有する団体であれば、代表者が誰であろうが、法人が契約の主体となりますので、契約時の代表者がその後変わっても、新たに契約を締結し直す必要はありません。

また、損害賠償などの責任が個人から法人へ移行するので、代表者及び役員個人の精神的、金銭的な負担が大きく軽減されます。

信用が個人と法人では全然違う

情報が広く公開されるので、社会から信頼を得られやすくなるうえ、社会における知名度も高くなります。

また、企業や行政から業務委託などが受けられやすくなりますし、職員と雇用契約を締結することも可能となりますので、人材確保が任意団体よりも有利になります。

法人格を有することで最もそのメリットを感じるのが、補助金、助成金が受けられやすくなるということです。任意団体を補助金・助成金の対象としていない企業や行政が非常に多いのに対して、NPO法人はほとんどの補助金・助成金の対象になっています。

活動の規模が大きくなり、より組織的、継続的な活動を行うことができるようになる

どんどん規模が大きくなり、いろいろな種類のボランティア活動を行う場合、しっかりした組織を構築し、民主的な運営を行うことが不可欠です。逆に考えると、規模を拡大しようとした場合、任意団体ではなく、法人格を有した方がやりやすいということになります。

また、任意団体は、始めるのも止めるのも簡単な手続きで行うことができます。視点を変えると、いつやめるか分からないのが任意団体ですので、長期的な視野に立って協業しようと思っても、相手方の企業や行政にとっては信用面で大きな不安が残りますので、難しいのが実情です。

一方、NPO法人は、都道府県知事の承認を得、法務局に法人登記をしておりますので、解散、廃業は簡単ではありません。法的なしっかりした手続きを踏む必要がありますので、長期的な契約も可能です。逆に言うと、事業を長期的に継続する意思がはっきりしている場合には、法人化を検討すべきではないでしょうか。

2 法人化のデメリット

 任意団体であっても法人における定款と同様な規約は存在しますし、助成金を受けようとする場合には、NPO法人と同レベルの規約が求められることもありますが、その通り実施しなかった、若しくはできなかった場合でも、会員が納得していれば、特に大きな問題にはならないでしょう。まして、団体登録している市区町村から細かな指示を受けることもありません。

また、収支決算や監査なども任意団体もNPO法人と同様に行いますが、法的に決められたフォームに基づく必要はありませんし、かなり簡略化することも可能です。

 一方、NPO法人の場合、社員総会を開催して、活動報告、予算、決算を明らかにし、会計原則に即した会計処理を行う必要があります。最後には、毎事業修了後、所轄庁への報告義務があります。

 また、定款変更など重要な変更が発生した場合、所轄庁への届け出や承認申請、情報開示の義務が発生します。

 原則として法人県民税・市町村民税均等割が課税されますし、法人税法上の収益事業を行っている場合には、更に法人税、法人事業税、法人県民税・市町村民税法人税割が課税されます。但し、法人税の減免の制度がありますので、要件に合えば利用することをお勧めします。