住宅宿泊事業(民泊)

住宅宿泊事業(民泊)とは?
住宅を年間日数180日以下の宿泊に供する事業を住宅宿泊事業、所謂「民泊」といい、同事業を旅館業法の対象外とするとともに、残りの日数を居住の用に供することを確保することで、その用途を住宅と位置付けています。これにより、同事業を建築基準法や都市計画法などの規制対象外とする規制緩和も図っています。
民泊利用者のニーズは?
観光業において
外国人旅行者の急増により、宿泊先の確保が難しいという問題に加えて、安価で長期間宿泊できる民泊の需要は非常に高いものがあります。
また、従来の旅館やホテルではなく、古民家など日本の伝統的な家屋に宿泊して、日本の生活習慣などを体験したいというニーズにも対応することができます。
ホテルや旅館が少ない地方都市では、旅行者の急増に対応するために、人口減少により空き家になった家屋を民泊として利用することで、地域の活性化につなげることも可能となります。
空き家対策など相続において
不動産を相続したものの、住む人がいないで空き家になっていたり、相続問題でトラブルになり、解決しないまま放置された不動産が日本全国に数百万戸存在していると言われておりますが、済む人がいない家屋は、痛みが激しいために倒壊の恐れがあり、また、衛生面の問題、犯罪などの拠点として利用されるなど、別の問題を引き起こしています。
特に共有となっている不動産の売買においては、相続人の高齢化や代襲相続の増加により権利者全員の承諾を得るのに多大な時間がかかる上、売却する不動産の価値が手続きに係る費用に見合わない場合も多く、手の施しようがないというのが現状です。
そこで、空き家になった家屋を民泊として利用することで、これらの問題を解決できるのではないかと大きな期待が寄せられています。
経済的な面において
年の半数以上誰も使わないで管理費ばかりが嵩んでしまう別荘ですが、年間180日まで人に貸して収入を得ることができるわけですから、経済的な負担を軽減できるだけでなく、新たな収入源として期待することができます。
また、子供が独立して親だけになってしまった家庭では、利用できないで空いたままの部屋が多いため、それを旅行者などに有料で貸すことで、新たな収入を得ることが可能となります。
その他
交通事故等で障害がいを負った人がリハビリテーションを行っている施設に家族等が遠隔地から見舞いや看病に行く場合、その施設に宿泊できれば問題ありませんが、そうでない場合、旅館やホテルに連泊するとなると経済的な負担はかなり大きなものとなります。
そこで、民泊を利用することで、連続して、しかも何度も利用することが可能となりますので、リハビリを行っている人の身体的、精神的なケアをより手厚く行うことが可能となります。
民泊で利用できる住宅とは?
人の居住の用に供されていると認められる家屋
- 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
- 入居者の募集が行われている家屋
- 随時所有者等の居住の用に供されている家屋
人の生活の本拠として使用されている家屋とは?
生活の本拠として使用するために以下の設備を備えていること。
- 台所
- 浴室
- 便所
- 洗面設備
これは、住宅宿泊事業を営もうとしている個人の住宅が該当します。
入居者の募集が行われている家屋とは?
これは、住宅宿泊事業を営もうとしているものが不動産賃貸業を営んでおり、その不動産賃貸業に供している家屋が該当します。
随時所有者等の居住の用に供されている家屋とは?
これは、住宅宿泊事業を営もうとしているものが所有する別荘に該当します。

宿泊させることができる日数は何日まで?
旅館業法では、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を旅館業と定義しており、旅館業法に基づく許可を受けて旅館業を営む者を営業者と定義されています。
住宅宿泊事業法では、この営業者以外の者が、年間提供日数180日を超えない範囲において宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業を住宅宿泊事業、すなわち、民泊と定義しています。
また、日数の算定は、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間に人を宿泊させた日数をいい、正午を起点として翌日の正午までの期間を1日とします。
宿泊料には何が含まれる?
宿泊料とは、旅館業法に規定されている宿泊料を指し、実質的には、休憩料、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、水道光熱費、室内清掃費等が含まれます。